雪の多い山形・庄内でも、プランター栽培とハウス越冬を組み合わせれば、家庭菜園でイチゴを長く楽しめます。
筆者は2025年9月末にホームセンターでサントリー本気野菜「らくなりイチゴ」の苗を2株購入し、60cmの標準プランターを2台用意して、1株ずつ植え付けました。10月上旬〜3月末はハウス越冬、4月中旬から収穫が始まり、5月12日時点で2株あわせて20個ほど収穫できています。この記事では11ステップの栽培手順と、夜の獣害(タヌキかハクビシン)への対策を整理します。
この記事で分かること
- サントリー「らくなりイチゴ」(四季なり)はどんな品種か
- プランター+ハウス越冬で庄内の冬を乗り切る方法
- 9月末から始めるイチゴ栽培の11ステップ
- 夜の獣害(タヌキ・ハクビシン)への現実的な対策
- 家庭菜園での収穫量の目安と実際の記録
サントリー「らくなりイチゴ」の基本情報|四季なり・病気に強い
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科目 | バラ科 |
| 品種シリーズ | サントリー本気野菜 |
| 収穫タイプ | 四季なり(春〜秋まで長期収穫) |
| 生育適温 | 17〜20℃ |
| 好適土壌pH | 5.5〜6.5 |
| 苗の入手時期 | 9月〜10月(ホームセンター) |
| 連作障害 | あり(プランターは新しい土を使えば回避可能) |
「らくなりイチゴ」はサントリーフラワーズの家庭菜園シリーズ「本気野菜」の品種で、病気に強く育てやすい四季なりです。一季なりが5〜6月だけの収穫なのに対し、四季なりは春から秋まで収穫が続くのが大きな違いです。
家庭菜園でイチゴの土を整えるには、pH 5.5〜6.5に合わせるのが目安です。庭の土を加える場合や培養土を翌年以降も使い回す場合は、酸度計で実測してから苦土石灰の量を決めると安全です。筆者は電池不要で土に挿すだけのシンワ測定 土壌酸度計A 72724を使っています。
イチゴの原産地|北米と南米の野生種から生まれた雑種
イチゴは北米と南米のふたつの野生種から偶然生まれた雑種で、生育適温は17〜20℃、花芽形成には15℃以下と短日条件を必要とします。下の図でオランダイチゴ誕生のストーリーと、冬から春にかけて開花・結実する栽培リズムを確認してください。

庄内のような日本海側で冬の寒さがしっかり当たる地域は、休眠の打破がうまく進む一方、雪と寒風で株が傷むリスクがあります。プランターでハウス越冬させる本記事の方法は、原産地の気候特性に合わせた現実的な選択です。
プランター+ハウス越冬で育てる利点
庄内は12月〜3月まで積雪と低温が続き、露地栽培のイチゴは雪で傷むことがあります。プランター+ハウス越冬の組み合わせには、次の利点があります。
- 雪害を回避できる(プランターごと屋内へ移動可能)
- 連作障害が出にくい(毎年新しい培養土を使える)
- 鳥獣害から守りやすい(夜は屋内に取り込める)
良い苗の見分け方|ホームセンターでの選び方
イチゴ栽培では「苗八作」と言われるほど、初期の苗の状態がその後の収量を左右します。ホームセンターで苗を選ぶ際は、次の項目を1株ずつ確認します。
| チェック項目 | ○ 良い苗 | × 避ける苗 |
|---|---|---|
| 葉色 | 濃い緑で艶がある | 黄色く変色/斑点あり |
| クラウン | 太くしっかりしている | 細く頼りない |
| 葉の枚数 | 4〜5枚以上ある | 2〜3枚しかない |
| 根 | ポットの底までよく張っている | 根鉢が崩れる/土がスカスカ |
| 病斑 | 葉裏まで見て異常なし | 葉裏に粉や虫の痕跡あり |
庄内でイチゴを育てる11ステップ
STEP1 苗購入|9月末がホームセンターのピーク
庄内では9月下旬〜10月上旬にホームセンターでイチゴの苗が並びます。四季なり品種は早く売り切れることが多いため、見かけた時点で確保するのが安全です。
STEP2 プランターと用土の準備
60cmの標準プランターなら2〜3株が標準ですが、株を大きく育てたい場合は1台に1株ずつの植え付けが有効です。筆者はプランター2台を用意し、それぞれに1株ずつ植えました。用土は市販の野菜用培養土でよく、底に鉢底石を2〜3cm敷いてから培養土を入れます。
STEP3 植え付け|クラウンを土に埋めない
植え付けの最大の注意点はクラウン(葉の付け根の膨らんだ部分)を土に埋めないことです。下の図で「良い植え付け」と「悪い植え付け」の違いを確認してください。

STEP4 水やり|土が乾いたらたっぷりと
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで与えます。秋〜冬は数日に1回、春からは1日1回が基本です。
STEP5 ハウス搬入|10月上旬
庄内は10月後半から朝晩の冷え込みが強くなります。10月上旬にプランターごとハウス内へ搬入し、雪と寒風から株を守ります。
STEP6 冬の管理|枯葉除去と摘花
赤く変色した葉や枯れた葉は付け根から取り除き、株元の風通しを保ちます。この時期に咲く花は摘み取り、株の充実を優先させます。
STEP7 追肥|2月中旬
休眠が明ける2月中旬頃、緩効性肥料を1株あたり10g程度追肥します。新葉の生長を促し、春からの開花に備えます。
STEP8 ハウスから出す|3月末〜4月上旬
外気温が安定して10℃を超える頃、プランターをハウスから出して日当たりの良い場所に置きます。
STEP9 人工授粉|筆や綿棒で雌しべに花粉をつける
屋外なら虫が受粉してくれますが、奇形果を減らすには人工授粉が有効です。柔らかい筆や綿棒で雄しべをなぞり、中心の雌しべ全体に花粉をつけます。
STEP10 鳥獣害対策|夜は屋内へ取り込む
赤く色づいた実は夜行性のタヌキやハクビシンにも狙われます。暗くなる前にプランターごと屋内へ取り込むのが現実的な対策です(詳細は後述)。
STEP11 収穫|赤くなった実から順に
実がヘタの近くまで赤くなり、甘い香りがするものから、果梗をハサミで切り取って収穫します。朝の涼しい時間に収穫するのが基本です。

失敗から学んだ|夜行性のタヌキ・ハクビシン被害と害獣対策
赤く熟した実だけが、夜のうちに食べられていました。
庄内では、田畑のまわりにタヌキやハクビシンが住み着いていることも多く、家庭菜園の作物が被害に遭うことがあります。
特にイチゴは甘い香りが強いため、動物たちに見つかりやすい野菜のひとつです。
対策としては、暗くなる前にプランターごと屋内へ取り込みます。プランターなら簡単に移動できるので大きなメリットです。
栽培で気付いたこと|実ごとに香りの強さが違う
家庭菜園でイチゴを育てて気づいたのですが、同じ株でも香りが強い実ほど甘いという相関があります。下の図で香りチェックの判断基準と、香りに差が出る4つの要因を確認してください。

コンパニオンプランツ|ニンニクとペチュニア
| 植物 | 効果 |
|---|---|
| ニンニク | 香り成分「アリシン」がアブラムシを忌避。灰色かび病なども抑える |
| ペチュニア | 花が訪花昆虫を呼び、イチゴの受粉を助ける |
🌿 もっと詳しく知りたい方へ
コンパニオンプランツの仕組み・他の組み合わせ・庄内での実践例をまとめています。
よくある質問(FAQ)
四季なりと一季なりはどちらが家庭菜園に向いていますか?
長く収穫を楽しみたい家庭菜園には四季なりが向いています。一季なりは5〜6月だけの集中収穫で大粒・濃厚な一方、四季なりは春〜秋まで少しずつ収穫が続きます。
プランターでどれくらい収穫できますか?
筆者の実例では、9月末植え付けの「らくなりイチゴ」を60cmプランター2台に1株ずつ植えた構成で、4月中旬〜5月12日までに2株合計で20個収穫できました。四季なりは秋まで実がつき続けるため、年間の合計収穫はさらに増える見込みです。
ランナーは切った方がいいですか?
ランナーは収穫期間中はこまめに切り取り、収穫後は翌年の子株作りに活用するのが基本です。下の図で収穫期と収穫後それぞれのランナーの扱いを確認してください。

まとめ|プランター+ハウス越冬でイチゴを長く楽しむ
- 「らくなりイチゴ」は四季なりで、春〜秋まで長期収穫
- 苗の購入は9月末がピーク、見かけたら早めに確保
- 植え付け時はクラウンを土に埋めないのが最重要
- 10月上旬〜3月末はハウス内で越冬させる
- 夜の獣害対策は暗くなる前に屋内へ取り込む
- 2株(プランター2台)で4月中旬から20個以上の収穫実績あり
もっと気軽に始めたい方へ|ミニ栽培キットの選択肢
本記事では60cmの標準プランターを使った本格的な栽培方法を紹介しましたが、苗・鉢・用土・肥料が一式揃ったミニ栽培キットもあります。鉢サイズは約24×15cmと小さめなので、ベランダや窓辺で省スペースに始めたい方、プレゼントや自由研究の用途に向いています。
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