遅霜はいつまで?家庭菜園の霜対策と植え付けの目安【東北・山形の農家が解説】

遅霜はいつまで?家庭菜園の霜対策(東北・山形の農家が解説) 基礎知識
記事内に広告が含まれています。

春になり暖かくなってきたからと油断していると、思わぬ「遅霜(おそじも)」で大切な苗を傷めてしまうことがあります。とくに植え付けたばかりの夏野菜の苗は、遅霜に一晩あたるだけで枯れてしまうことも珍しくありません。

この記事では、東北・山形で家庭菜園をするうえで知っておきたい、遅霜の時期の目安・被害を受けやすい野菜・家庭菜園でできる霜対策・遅霜を避ける植え付けの考え方を、順番に整理します。

この記事で分かること

  • 遅霜とは何か、いつごろまで警戒すべきか
  • 八十八夜・桜など「霜の終わり」の目安
  • 東北・山形(庄内)の遅霜の地域差
  • 遅霜で被害を受けやすい野菜
  • 不織布などを使った家庭菜園の霜対策
  • 遅霜を避ける植え付け時期の考え方

遅霜とは|春に油断したころに降りる霜

遅霜とは、春の終わりごろ、いったん暖かくなってから急に冷え込んで降りる霜のことです。「八十八夜の別れ霜」「五月の遅霜」などと呼ばれ、晩春に発生します。

霜は、よく晴れて風の弱い明け方に、放射冷却で地表近くの温度が0℃前後まで下がると発生します。日中が暖かくても、夜から朝にかけて急に冷え込む予報の日は注意が必要です。

遅霜はいつまで?時期の目安と地域差

遅霜がいつまで続くかは地域によって差がありますが、判断のよりどころになる目安があります。

八十八夜が「霜の終わり」の目安

古くから「八十八夜の別れ霜」といい、立春から88日目(5月2日ごろ)を過ぎると霜の心配が減るとされてきました。あくまで目安ですが、植え付け時期を考えるときの一つの区切りになります。

東北・山形の遅霜の目安

東北では、平地でおおむね5月上旬から中旬ごろまで遅霜への警戒が必要とされます。内陸部や標高の高い地域ほど遅霜が遅くまで残りやすく、5月下旬に冷え込む年もあります。山形でも、庄内のような日本海側は、山形市や米沢などの内陸の盆地に比べると遅霜は比較的少ない傾向ですが、油断は禁物です。

桜や自然のサインも参考になる

数字の目安だけでなく、桜が散る、周囲の田んぼで代かきが始まるなど、地域の自然のサインも植え付け判断の参考になります。その土地で長く農業をしている近隣の方の感覚も、地元ならではの確かな目安です。

遅霜で被害を受けやすい野菜

とくに次のような野菜は遅霜に弱く、注意が必要です。

  • 夏野菜の苗(トマト・なす・ピーマン・きゅうり・ズッキーニなど)…高温を好むため、霜に一晩あたるだけで枯れることがある
  • じゃがいもの芽…地上に出た芽は霜で黒く傷む(地下の種芋から再生する場合もある)
  • さつまいもの苗…低温に弱く、植え付け直後は影響を受けやすい
  • 定植直後の苗全般…根がまだ張っておらず、寒さの影響を受けやすい

一方、えんどうや玉ねぎなど寒さに強い作物は遅霜の影響を受けにくいですが、それでも花や生長点が傷むことはあります。

家庭菜園でできる遅霜対策

遅霜が予想される日は、前日のうちに対策をしておくと被害を減らせます。手軽な方法から順に紹介します。

不織布や寒冷紗をかける

もっとも手軽なのが、不織布(べたがけシート)や寒冷紗を苗の上にかける方法です。直接べたがけするか、支柱でトンネルを作って覆います。霜が直接苗に降りるのを防ぎ、保温にもなります。朝、気温が上がってから外します。

あんどんで囲う

苗のまわりを支柱とビニールや肥料袋で筒状に囲う「あんどん」も有効です。風よけと保温を兼ね、植え付け直後の小さな苗を守ります。

夕方にたっぷり水やりをする

意外に思えますが、遅霜が予想される日は夕方に土へたっぷり水を与えておくと、水をたくわえた土は冷えにくくなり、霜の害をやわらげる効果が期待できます。

鉢やプランターは移動する

プランターや鉢で育てている場合は、軒下や室内など、霜の当たらない場所へ一晩移動させるのが確実です。

敷きわら・マルチで地温を保つ

株元に敷きわらやマルチを施しておくと、地温の急な低下をやわらげられます。

小型ビニールハウスで覆う

苗やプランターをまとめて守りたい場合は、小型のビニールハウスで覆う方法もあります。不織布やあんどんと違って毎晩の掛け外しがいらず、霜の心配な時期を過ぎたあとも育苗や雨よけに使い回せます。

▼ 商品詳細・最新価格はこちら(楽天・Amazon・Yahoo)

遅霜を避ける植え付け時期の考え方

いちばん確実な遅霜対策は、「遅霜の心配がなくなってから植え付ける」ことです。とくに夏野菜の苗は、あせって早植えすると遅霜で全滅しかねません。

早植えして霜よけに手間をかけるより、八十八夜や地域の目安を過ぎてから定植するほうが、結果的に失敗が少なく済みます。それぞれの作物の植え付け時期は、各作物の記事や栽培カレンダーもあわせて参考にしてください。

よくある質問

遅霜はいつまで警戒すればよいですか?

目安は八十八夜(5月初め)ごろまでですが、東北の内陸では5月中旬から下旬まで冷え込む年もあります。地域差が大きいので、植え付け前後は天気予報の最低気温も確認すると安心です。

苗が霜にあたってしまったら、どうすればよいですか?

朝、霜が解ける前に水をかけて、急な解凍による傷みをやわらげる方法が知られています。傷みが軽ければ回復することもあります。ひどく傷んだ部分は、その後の生長を見ながら判断します。

庄内のような日本海側でも遅霜はありますか?

内陸の盆地に比べると少ない傾向ですが、よく晴れて冷え込んだ明け方には起こりえます。日本海側だからと油断せず、目安の時期までは備えておくと安心です。

霜と凍霜害(とうそうがい)は同じですか?

霜は地表に氷の結晶がつく現象で、凍霜害はその霜や低温によって作物が受ける被害のことを指します。

まとめ

遅霜は、春の油断したころに降りて、植えたばかりの苗を一晩でだめにしてしまうことがあります。次のポイントを押さえて、大切な苗を守りましょう。

  • 八十八夜(5月初め)が霜の終わりの一つの目安
  • 東北の内陸は5月中旬から下旬まで警戒、庄内など日本海側は比較的少ない
  • 夏野菜の苗・じゃがいもの芽は遅霜に弱い
  • 不織布・あんどん・夕方の水やり・鉢の移動で守る
  • もっとも確実なのは「遅霜が去ってから植える」こと

地域の目安と自然のサインを参考に、あせらず植え付けて、遅霜から大切な苗を守ってください。

遅霜の時期はその年の気候や地域によって差があります。本記事の時期は山形県庄内地方を中心とした目安です。植え付け前後は、お住まいの地域の天気予報や近隣の農家の情報もあわせてご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました