春じゃがいもを掘り上げたあとの畑は、畝がぽっかりと空きます。夏のあいだ空けておくのはもったいないですが、じゃがいものあとに「何でも植えてよい」わけではありません。
じゃがいもはトマトやなすと同じナス科の野菜です。選び方を間違えると、次の野菜がうまく育たなくなることがあります。この記事では、庄内の家庭菜園で春じゃがいものあとに植えておすすめの野菜と、避けたい野菜を整理します。
この記事で分かること
- じゃがいものあとに後作を選ぶときの基本の考え方
- 庄内での後作の植え付け時期(7〜8月まきが中心)
- おすすめの野菜(マメ科・にんじん・アブラナ科)
- 避けたい野菜(ナス科と、じゃがいもの連作)
- 後作の早見表とよくある質問
なぜ後作選びが大事なのか|じゃがいもはナス科
じゃがいもは、トマト・なす・ピーマンと同じナス科の野菜です。同じ科の野菜を同じ場所で続けて育てると、土の中の養分が偏り、その科を好む病害虫が残りやすくなります。これが連作障害です。
じゃがいものあとにすぐトマトやなすを植えると、青枯病やそうか病などが出やすくなります。ですから後作は、ナス科から科をずらした野菜を選ぶのが基本になります。
じゃがいもはナス科です。後作はナス科をさけて別の科に切りかえるのが基本になります。下の図で、続けて植えてよい科と、さけたい科を確認してください。
連作障害の仕組みや、科ごとに何年空ければよいかは、こちらの記事で詳しくまとめています。
同じ場所に植えるとなぜ育たない?連作障害の原因と3つの対策
春じゃがいもの収穫後はいつ植える?|庄内の時期
庄内で春じゃがいもを掘り上げるのは、6月下旬から7月上旬ごろです。地上部の葉が黄色く枯れてきたら収穫の合図で、田植えが終わってひと段落した時期と重なります。
掘り上げた直後の畑は、梅雨で土が湿っていることが多いです。土が乾いてから耕すと、根の張りがよくなります。湿ったまま無理に耕すと土が固まりやすいので、晴れ間を待つのが安全です。
春じゃがの掘り上げや、後作に向けた土起こしには、先の丈夫な4本爪のフォークがあると作業が楽になります。
後作は7月から8月にまける野菜が中心になります。秋が早い庄内では、まき遅れると生育が間に合わないので、収穫後は早めに次の準備に入ります。空いた畝を効率よく使うには、収穫前から次に何を植えるかを決めておくと動きやすくなります。
後作におすすめの野菜|科をずらして選ぶ
後作のおすすめは、大きくマメ科・にんじん(セリ科)・アブラナ科の3つのグループです。下の図で、それぞれの代表的な野菜とまき時期の目安を確認してください。
マメ科(枝豆・つるなしインゲン)|土を豊かにしながら育つ
マメ科の根には根粒菌がつき、空気中の窒素を土に取り込みます。じゃがいものあとの畑を、次の作付けに向けて豊かにしてくれるので、後作の相手として使いやすい野菜です。下の図で、その仕組みを確認してください。
枝豆は7月上旬までにまけば、庄内では秋のはじめに収穫できます。この時期にまく場合は、晩まき用の品種を選ぶと失敗が少ないです。つるなしインゲンは支柱がいらず、種まきから60日ほどで収穫できるので、7月にまいて9月に採るリレーがしやすい野菜です。
マメ科の育て方は、こちらの記事も参考になります。
えだ豆「湯あがり娘」のポット育苗と鳥害対策/落花生(おおまさり)の育て方
にんじん(セリ科)|7月まきで秋から冬に採る
にんじんはセリ科で、ナス科ともマメ科とも科が違うため、輪作の相手として使いやすい野菜です。庄内では7月にまくと、11月ごろから冬にかけて収穫できます。
にんじんで大切なのは発芽で、まいたあとは土を乾かさないことが何より重要です。種をまいたら不織布などで覆い、乾く前に灌水します。発芽さえそろえば、あとはあまり手がかかりません。
アブラナ科(大根・白菜・ブロッコリー)|秋冬の主役
大根や白菜、ブロッコリーは、じゃがいものあとの畑でよく育つ秋冬野菜です。大根は8月にまくと11月ごろに太り、白菜は7月下旬から8月上旬、ブロッコリーは7月にまいた苗を8月に植えると、秋に結球・結蕾します。
ただしアブラナ科は虫がつきやすいので、まいたらすぐ防虫ネットをかけると安心です。まき遅れると寒さで結球が間に合わないことがあるため、時期を守ることが大切になります。
ネットのすき間から入った青虫(アオムシ)が付いてしまったときは、有機栽培でも使えるBT剤が定番です。チョウ目の幼虫にだけ効くタイプの薬剤で、水でうすめて散布します。袋が小分けになっているものを選ぶと、小規模な家庭菜園でも使い切りやすいです。
| 野菜 | 科 | まき時期(庄内目安) | 収穫 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 枝豆 | マメ科 | 7月上旬まで | 9〜10月 | 晩まき品種を選ぶ |
| つるなしインゲン | マメ科 | 7月 | 9月 | 支柱いらず・約60日 |
| にんじん | セリ科 | 7月 | 11月〜冬 | 発芽まで乾かさない |
| 大根 | アブラナ科 | 8月 | 11月 | 秋冬の定番 |
| 白菜 | アブラナ科 | 7月下旬〜8月上旬 | 11月 | 防虫ネット必須 |
| ブロッコリー | アブラナ科 | 7月まき苗を8月定植 | 10〜11月 | 苗づくりから始める |
後作で避けたい野菜|ナス科と連作
避けたいのは、じゃがいもと同じナス科の野菜です。
- トマト・ミニトマト
- なす
- ピーマン・とうがらし
- じゃがいも自身(続けて作らない)
ナス科は、科の中でも連作を嫌う代表格です。じゃがいものあとにトマトやなすを植えると、青枯病などが持ち越されることがあります。同じ畝を使いたい場合でも、最低2〜3年は空けるようにします。
じゃがいものあとにさけたいのは、同じナス科の野菜です。下の図で、さけたい野菜と、次に植えるまで空けたい年数を確認してください。
掘り残したじゃがいもの小芋も、放っておくと翌年に芽を出して同じ場所でナス科が育つ状態になります。後作の前に、こぼれ芋はできるだけ拾っておきます。
庄内の畑での後作の考え方|輪作でつなぐ
稲作では毎年同じ田で稲を作りますが、畑の野菜は科をずらして回すのが基本になります。同じ田で稲が続けられるのは、水を張ることで土がリセットされるからで、畑の野菜とは事情が違います。
筆者の畑では、じゃがいもを掘り上げると7月上旬に畝が空きます。せっかく空いた場所なので、次の野菜を効率よく育てたいと考えています。ただ、白菜のような葉物は虫に食べられやすく、防虫ネットの管理が続けにくい年もあります。そのため筆者は、マメ科(枝豆・つるなしインゲン)やにんじんを中心に回し、ナス科は別の場所に移すようにしています。
どの野菜とどの野菜が相性がよいかは、コンパニオンプランツの記事も合わせて読むと計画が立てやすくなります。
コンパニオンプランツで農薬いらずの家庭菜園
よくある質問
じゃがいものあとにすぐ植えても大丈夫ですか?
ナス科以外の野菜なら、土が乾いてから耕せば続けて植えられます。掘り上げでこぼれた小芋を取り除き、元肥を入れて畝を整えてからまくと安定します。
じゃがいものあとに秋じゃがは作れますか?
同じナス科の連作になるため、同じ場所ではおすすめしません。秋じゃがを作るなら、春じゃがとは別の畝を用意します。
マメ科を植えると肥料はいらなくなりますか?
根粒菌が窒素を補ってくれますが、リン酸やカリは別に必要です。窒素の元肥は控えめにし、育ち具合を見て追肥します。窒素が多すぎると葉ばかり茂って実つきが悪くなります。
まとめ
- じゃがいもはナス科。後作は科をずらして選ぶ
- 庄内の後作は7〜8月まきの野菜が中心
- おすすめはマメ科(枝豆・インゲン)、にんじん、アブラナ科(大根・白菜・ブロッコリー)
- 避けたいのはナス科(トマト・なす・ピーマン)と、じゃがいもの連作。2〜3年は空ける
- 土が乾いてから耕し、こぼれ芋を取り除いてから次を植える
なお、当ブログでは、実際に家庭菜園を続ける中で新しい気づきがあれば、公開済みの記事も随時加筆・更新しています。
そのときどきの畑の様子や試した結果も少しずつ書き加えていきますので、また見に来ていただけたら幸いです。
また、白菜や小松菜のような葉物を植えたいけれど虫が心配、という場合は、室内で育てる水耕栽培という選択肢もあります。LEDライト付きのキットなら天候や虫害に左右されず、ベビーリーフやサラダ菜を一年中育てられます。畑の後作と並行して、薬味用の葉物を手元で育てておくのも便利です。


