7月に入り、ハウスのフルティカが実をたくさん着けました。ところが、いつまで待っても緑のまま。梅雨明けの暑い盛りになっても、なかなか赤くなりません。
原因を調べて手を打つと、色づきは意外と早く動き出しました。この記事では、トマトが赤くならない主な原因と、株につけたまま/採ってから赤くする方法を整理します。
この記事で分かること
- トマトが赤くならない5つの原因(夏は高温が主犯)
- 「実に日光を当てると赤くなる」という誤解
- 株につけたまま赤くする方法(換気・摘果・窒素控えめ)
- 採ってから室内で赤くする「早採り追熟」のやり方
- 摘果した緑の実は食べられるのか(実際に食べた感想)
トマトが赤くならない5つの原因
トマトが緑のまま止まる理由は一つではありません。庄内のハウスでよく当てはまる順に、5つ整理します。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| ①夏の高温(最多) | 30℃を超えると赤い色素が作られにくく、35℃以上でほぼ止まる |
| ②実の付けすぎ | 1株の実が多すぎて、養分が分散し熟れが遅れる |
| ③窒素過多(つるぼけ気味) | 養分が葉や茎に回り、実の成熟が後回しになる |
| ④日数がまだ足りない | 成熟しきっていない若い緑の実は、そもそも赤くならない |
| ⑤秋の低温 | 10℃を下回ると、今度は低温で色づきが止まる |
いちばん多い原因は「夏の高温」
トマトの赤い色はリコピンという色素です。このリコピンは、気温が30℃を超えると作られにくくなり、35℃以上ではほぼ止まります。色づきに最も適した温度は20〜25℃です。
庄内のハウスは、梅雨明け以降の晴天日には昼前に40℃近くまで上がります。実は十分に育っているのに、暑さのせいで色だけが進まない。夏に「緑のまま」で悩む家庭菜園の多くは、この高温が原因です。
トマトが赤くなるのは温度と、実自身が出す成熟ホルモン(エチレン)によるものです。実に直接日光が当たる必要はありません。むしろ強い直射は、実の肩が焼ける日焼け(尻ぐされとは別の障害)の原因になります。「葉かげの実が赤くならない」ように見えても、真犯人は光ではなく温度です。
下の動画は、実際に「なかなか赤くならない」状態のフルティカと、その原因を畑でまとめたものです。
▲ 7月上旬のフルティカ。赤くならない主な原因(高温・葉の茂りすぎ)を約30秒で解説
株につけたまま赤くする方法
まだ株に着いている実を赤くしたいときは、原因の裏返しで対策します。ポイントは温度を下げることと養分を実に集めることの2つです。
換気と遮光で30℃以下に保つ
晴天日は朝のうちにハウスの裾と扉を開け、日中の温度を30℃以下に抑えます。猛暑日は寒冷紗で30〜40%の遮光を入れると、内部温度の上がりすぎを防げます。夜間は害獣対策で閉めますが、昼間の閉め切りは高温を招くので避けます。
温度が対策の分かれ目になるため、筆者はハウス内に寒暖計を1つ下げています。数字で30℃を超えたと分かれば、感覚に頼らず換気や遮光へ動けます。
🌡️ ハウスの温度を数字で把握したい方へ
筆者もハウス内に下げている、電池不要のアナログ寒暖計です。30℃を超えたら換気・遮光の合図にでき、感覚に頼らず対応できます。
摘果で残す実に養分を集める
1房に実が多すぎると、養分が分散して熟れが遅れます。そこで形の悪い実などを間引き、1房5〜6個に絞る「摘果」を行います。残った実に養分が集中し、色づきと甘みが進みやすくなります。
筆者のフルティカでも、1房に12個ほど着いていた房を6個まで絞りました。その様子が下の動画です。
▲ 1房12個を6個に摘果する様子。残す実に養分を集中させる
あわせて、混み合った葉を整理して風通しを良くし、追肥の窒素はやや控えめにします。すると、摘果の翌日にはもう実が色づき始めました。効果の早さに驚いた記録が次の動画です。
▲ 摘果の翌日、もう色づき始めたフルティカ
採ってから赤くする|早採り追熟のやり方
夏の高温がどうしても下がらないときは、株の上で待つより色が変わり始めた実を早めに採り、涼しい室内で赤くする方が確実です。35℃のハウスより、25℃前後の室内のほうが、かえってきれいに色づきます。これを「追熟」と呼びます。
筆者はまだ追熟を試していませんが、一般に知られる手順は次のとおりです。
| 手順 | やり方 |
|---|---|
| 採るタイミング | 実の下(お尻)が白っぽく色が抜け始めた頃(ブレーカー期)から採れる |
| 置き場所 | 直射の当たらない室内、20〜25℃が目安 |
| 早める工夫 | リンゴやバナナと一緒に紙袋へ。これらが出すエチレンで熟れが進む |
| やってはいけない | 冷蔵庫(10℃以下)に入れる。色づきが止まり、低温障害で味も落ちる |
摘果した緑の実は食べられる?
摘果で間引いた緑の実は、捨てるのがもったいなく感じます。試しに一つ、半分に切って食べてみました。果肉は堅かったものの、ほんのりトマトの風味がありました。生でそのまま、という味ではありません。
青いトマトは、油で炒めたりピクルスにしたりと、加熱・調味して使う地域もあります。摘果で数が出たときは、こうした形で使い切ると無駄が減ります。
よくある質問
一度緑で止まったトマトも赤くなりますか
お尻の色が抜け始めた実(ブレーカー期以降)であれば、採って室内に置けば追熟で赤くなります。ただし、まだ小さく硬い若い緑の実は、赤くなりきらないことが多いです。
冷蔵庫に入れれば早く赤くなりますか
逆効果です。トマトは10℃を下回ると色づきが止まり、低温障害で風味も落ちます。赤くしたい実は、常温の涼しい室内に置いてください。
日当たりの悪い場所の実が赤くなりません
色づきに必要なのは光ではなく温度です。日陰でも温度が合えば赤くなります。赤くならないときは、まず高温や実の付けすぎを疑ってください。
まとめ|トマトを赤くする5つのポイント
- 夏に赤くならない主犯は高温。30℃超でリコピンが作られにくい
- 換気と遮光で30℃以下に保つのが基本の対策
- 摘果で1房5〜6個に絞ると、残す実に養分が集中して色づきが進む
- 採ってからの追熟は室内20〜25℃。冷蔵庫はNG
- 色づきに直射日光は不要。むしろ日焼けに注意する
筆者のフルティカも、葉の整理と摘果をきっかけに色づきが動き出しました。緑のまま止まって見えても、原因を一つずつ外していけば、赤い実に近づけます。
なお、当ブログでは、実際に家庭菜園を続ける中で新しい気づきがあれば、公開済みの記事も随時加筆・更新しています。
そのときどきの畑の様子や試した結果も少しずつ書き加えていきますので、また見に来ていただけたら幸いです。


