食べる緑のカーテン|夏に栄養豊富なおかわかめ(雲南百薬)の育て方【東北・山形の農家が解説】

おかわかめの育て方のアイキャッチ。タイトルと、植え付け〜収穫の5ステップ、緑のカーテン・夏の暑さに強い・栄養たっぷりなどの要点をまとめた図 おかわかめ
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夏の日差し対策に、食べられるグリーンカーテンを作れるのがおかわかめ(雲南百薬)です。つるが窓辺を覆い、厚みのある葉を夏から秋まで次々と収穫できます。さっと茹でるとわかめのような食感とぬめりが出るのが名前の由来です。暑さに強く害虫もほとんど付かないうえ栄養価も高く、庄内の夏でも育てやすい野菜です。植え付けから収穫、冬越しまでを庄内での経験をもとに整理します。

窓辺を覆うおかわかめの緑のカーテン。つるが伸びて厚みのある葉が密に茂っている
写真:おかわかめの緑のカーテン。葉は食用になる。

この記事で分かること

  • おかわかめ(雲南百薬)の特徴と「わかめのような食感」の理由
  • 山形・庄内での植え付け時期と土づくり
  • 食べられる緑のカーテンの仕立て方と日々の管理
  • 収穫の見極めと、むかご・球根での殖やし方

おかわかめ(雲南百薬)の基本情報

科名・属名ツルムラサキ科アカザカズラ属
別名雲南百薬(うんなんひゃくやく)・アカザカズラ
分類つる性の多年草(半耐寒性)
生育適温20〜30℃
好適土壌pH6.0〜6.5
連作障害ほとんど出ない
殖やし方むかご・球根(地下の塊根)
栽培の難易度初級
栽培スタートむかご・球根・苗から

おかわかめの原産地|南米生まれのつる野菜

おかわかめは、南米のパラグアイからアルゼンチン北部にかけての温暖な地域が原産とされます。つる性で高温と強い日差しに強く、夏も勢いが落ちません。中国の雲南省を経て「雲南百薬」の名で日本に紹介されました。

一方で、温暖な土地の生まれなので寒さには弱く、庄内では霜が降りると地上部が枯れます。そのため植え付けは霜の心配がなくなってから行い、冬はむかご・球根で越します。

「おかわかめ」と呼ばれる理由|茹でるとわかめのような食感

葉は肉厚で、ぬめりがあります。さっと茹でると、わかめのような食感とぬめりが出ることから「おかわかめ(陸のわかめ)」と呼ばれます。シャキシャキとした歯ごたえもあり、クセや苦みが少なく食べやすい葉物です。

おかわかめの葉を茹でておひたしにした一皿。つやのある緑色でぬめりがある
写真:おかわかめのおひたし。わかめに似た食感とぬめりが出る。

おかわかめの栄養|葉酸やβカロテンが豊富

「雲南百薬」という別名のとおり、おかわかめには葉酸・ビタミンA(βカロテン)・カルシウム・マグネシウム・亜鉛など、夏場にうれしい栄養素が多く含まれます。下の図で、それぞれの栄養素の働きを確認してください。

おかわかめに含まれる葉酸・ビタミンA(βカロテン)・カルシウム・マグネシウム・亜鉛とそれぞれの働き、ぬめり成分の胃腸保護効果をまとめた図解
図:おかわかめの栄養価と効能。

植え付け時期と土づくり(山形・庄内)

畑への植え付けの目安は、霜の心配がなくなる5月中旬ごろです。庄内では田植えが始まる頃が合図になります。地温が15℃を超えてからにします。寒い時期に早植えすると根が動かず、株がしばらく止まります。

殖やし方は、むかご・球根・苗のどれからでも始められます。むかごは葉のつけ根にできる小さな粒で、土に浅く埋めると芽が出ます。球根は地下にできる塊根で、これを植えても育ちます。

おかわかめのむかご(小さな粒状)と地下にできる球根(塊根)を並べた写真
写真:むかご(下)と球根(上)。どちらからでも殖やせる。

土はあまり選びませんが、pHは6.0〜6.5が目安です。元肥は控えめで十分育ちます。今年はむかごからポットで苗を育て、本葉が数枚そろった頃に畑へ植えました。

むかごから育てたおかわかめの苗。黒ポットに植わり、厚みのある楕円形の葉が数枚出ている
写真:むかごから育てた苗。本葉がそろったら畑へ植え付ける。

食べられる緑のカーテンの仕立て方

株のそばに支柱を立て、園芸用ネットを張ります。つるは自分で巻きついて登るので、伸び始めだけ数本を横へ誘引すると、面で広がって密なカーテンになります。こまめな誘引がきれいに仕上げるコツです。

摘心するとわき芽が増えて葉数が多くなります。水やりは表面が乾いたらたっぷり与え、真夏は朝に。追肥は2〜3週間に1回、少量を目安にします。

山形・庄内の栽培カレンダー

植え付けから冬越しまでの流れを図にまとめました。庄内では霜の心配がなくなる5月中旬ごろに植え付け、夏から秋に葉を収穫します。下の図で時期の目安を確認してください。

山形・庄内のおかわかめ栽培カレンダー月平均気温(山形・庄内の目安・℃)気温の目安30℃2010011.54.51015.5202425.5211593.51月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月植え付けつるの生育葉の収穫むかご収穫越冬・枯死
図:山形・庄内のおかわかめ栽培カレンダー(気温は月平均の目安)。

収穫のタイミングと食べ方

葉が茂ってきたら収穫できます。芽先や若い葉ほどやわらかく、摘んでもわき芽が伸びるので、夏から秋まで繰り返し採れます。葉が硬くなる前にこまめに摘みます。

食べ方は、さっと湯通ししておひたしやポン酢和えにするのが定番です。味噌汁の具、炒め物、天ぷらにも合います。加熱しすぎると食感が落ちるので、湯通しは10〜20秒を目安に手早く仕上げます。

注意点|失敗しやすいポイント

つるの勢いが旺盛なので、誘引を怠るとネット上部にばかり葉が集まり、株元がすかすかのカーテンになります。我が家でも放任した年は上だけ茂って下が透け、途中から誘引し直しました。伸び始めの誘引と摘心で、面に広げると失敗が減ります。

気をつけたいのが、こぼれたむかごです。秋に落ちたむかごから翌年あちこちで芽が出ることがあります。広げたくない場所では片付け時に拾い集めます。

庄内では、戸外で冬を越すのは難しい野菜です。霜が降りると地上部は枯れます。冬越しさせたい場合は、後述のとおりむかごや球根を採って、凍らない場所で保存します。

おかわかめの病害虫

おかわかめは丈夫で、病害虫の被害は少ない野菜です。我が家でもほぼ無農薬で育っています。まれに見られるものをまとめます。

名前症状・時期対処
アブラムシ新芽やつる先に群がり汁を吸う見つけ次第こすり落とす。多ければ水で洗い流す
ハダニ乾燥が続くと葉裏に発生し、葉色が抜ける葉裏まで水をかけ、乾燥させすぎない
ヨトウムシ夜間に葉を食害する食べ跡を見たら株元の土を探して捕殺する

越冬とむかご・球根での殖やし方

庄内では地上部が霜で枯れるため、翌年も育てるにはむかごと球根を残します。秋になると葉のつけ根にむかごがたくさんできるので、枯れる前に採って保存します。地下の球根も掘り上げ、凍らない場所で乾かしすぎないように越冬させます。

おかわかめの葉のつけ根にできたむかご。小さな粒状で、これを採って翌年の種にする
写真:むかごと球根。保存して翌春に植える。

翌春、霜が降りなくなった頃にむかごや球根を植えれば、また同じように育ち始めます。一度育てておけば毎年自分のむかごで殖やせるので、種を買い足す必要がほとんどありません。

よくあるご質問

ツルムラサキと同じ野菜ですか?

同じツルムラサキ科の仲間ですが、別の野菜です。おかわかめは葉に独特のぬめりがあり、むかごや球根で殖える点が特徴です。

プランターでも育てられますか?

育てられます。深さのある鉢に1株を植え、支柱やネットを立ててつるを誘引します。土が少なく乾きやすいので、夏の水切れに注意します。

一年で枯れてしまうのですか?

庄内では冬に地上部が枯れますが、むかごや球根を残せば翌年また芽を出す多年草です。寒い地域では球根を掘り上げて室内で越冬させると確実です。

まとめ

  • おかわかめ(雲南百薬)は、暑さに強く害虫の少ないつる性の葉物
  • 葉酸・βカロテン・カルシウムなどを含み、栄養価が高い
  • 植え付けは霜が止む5月中旬ごろ。むかご・球根・苗から始められる
  • ネットに誘引して摘心すれば、食べられる緑のカーテンになる
  • 葉は芽先がやわらかく、湯通ししておひたしや和え物に
  • 庄内では地上部が冬に枯れるが、むかご・球根を残せば翌年も育てられる
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