寒河江のさくらんぼでジャムづくり|農家直伝レシピ【東北・山形の農家が解説】

「規格外のさくらんぼで作るジャム 農家直伝の作り方」のテキストとさくらんぼジャムの瓶 ジャム・保存食
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農家さん直伝のレシピで仕上げたさくらんぼジャム(佐藤錦)

6月、山形県はさくらんぼの最盛期を迎えます。わが家では、寒河江市(さがえし)のさくらんぼ農家さんから、味は変わらないのに見た目の理由で出荷できない規格外のさくらんぼを分けていただきました。

今回いただいた品種は「佐藤錦」と「紅さやか(べにさやか)」です。

そのまま食べても十分おいしいのですが、量が多くて食べきれません。そこで農家さんにおすすめされたのが、規格外さくらんぼを使った手作りジャムです。

農家さんによると、「規格外のさくらんぼはジャムにすると驚くほどおいしく仕上がる」とのこと。この記事で紹介するレシピと工程は、実際に寒河江のさくらんぼ農家の知人から教えていただいた方法です。

わが家でも、分けていただいた規格外のさくらんぼを使って、さっそくジャム作りに挑戦してみました。

さくらんぼジャムは市販ではあまり見かけませんが、家庭で作ると果肉感がしっかり残り、鮮やかなルビー色も楽しめます。パンやヨーグルトとの相性も抜群です。

規格外のさくらんぼが手に入ったときは、ぜひ一度試してみてください。

この記事で分かること

  • 規格外のさくらんぼがジャムに向いている理由
  • 佐藤錦と紅さやか、品種ごとの味と色の違い
  • さくらんぼジャムの材料と分量
  • 種取りから煮詰めまでの作り方
  • 食品衛生上の注意(煮沸消毒・保存期間)と保存のコツ

規格外のさくらんぼでも十分おいしい

双子になった規格外の佐藤錦。味は出荷品と変わらない

写真:寒河江の農家さんから分けていただいた規格外の佐藤錦(双子果)。味は出荷品と変わりません

さくらんぼの「規格外」とは、傷や小粒、色ムラ、双子果(実が2つくっついたもの)、裂果(実割れ)など、見た目が出荷基準を満たさないものを指します。

贈答用や市場出荷には向きませんが、味は正規品とほとんど変わりません。むしろ完熟して甘みが増しているものも多く、家庭で楽しむには十分な品質です。

ジャム作りでは、さくらんぼを煮て果肉を崩してしまうため、見た目はまったく気になりません。むしろ完熟して柔らかくなった実のほうが煮崩れしやすく、短時間でジャムに仕上がります

つまり、生食では値が付きにくい規格外のさくらんぼほど、ジャム作りには向いているということです。

寒河江市のようなさくらんぼの産地では、6月の収穫シーズンになると規格外品が手頃な価格で手に入ることがあります。もし見かけたら、ぜひジャム作りに活用してみてください。見た目では分からない、さくらんぼ本来の甘みと香りをたっぷり楽しめます。

佐藤錦と紅さやか、品種で味も色も変わる

今回いただいたのは佐藤錦紅さやかの2品種です。さくらんぼジャムは、品種を混ぜず、それぞれ別々に作ると教わりました。

品種特徴ジャムでの役割
佐藤錦山形生まれの代表品種。甘みが強く、色はやや明るい紅色全体の甘みとコクを出す
紅さやか山形生まれの早生品種。色が濃く(暗紅色)、酸味がしっかりある酸味で味を引き締め、濃い赤色を出す
色の濃い規格外の紅さやか

写真:紅さやか。佐藤錦より色が濃く、ジャムにすると深い赤色になります

教わったレシピでは、佐藤錦と紅さやかをそれぞれ別々にジャムにしています。同じさくらんぼでも、佐藤錦は明るい色で甘く、紅さやかは濃い赤色で酸味があり、写真のとおり仕上がりの色も味もはっきり違うそうです。佐藤錦と紅さやかを混ぜることはなく、品種ごとに違った味わいを楽しめます。酸味を足したいときは、レモン汁で補えます。

さくらんぼは品種によって旬がずれていきます。早生の紅さやかに始まり、今が旬の佐藤錦、そしてこれから紅秀峰(べにしゅうほう)と続きます。それぞれの味わいを食べ比べられるのは、産地の栽培農家ならではの楽しみです。ジャムも、そのときどきに手に入る品種で作れます。

規格外が手に入らない方や、正規品の味も楽しみたい方には、山形県産の紅秀峰(べにしゅうほう)が通販でも手に入ります。大粒で甘みの強い、初夏のさくらんぼです。

山形県産 さくらんぼ「紅秀峰」(約1kg・ご自宅用)

さくらんぼジャムの材料と分量

今回、実際に作った分量です。さくらんぼは種を取り除いたあとの正味の重さで考えます。

材料分量ポイント
さくらんぼ(種を除いた正味)750g品種ごとに別々に作る(混ぜない)
グラニュー糖300g正味の約4割。お好みで3〜4割で調整
さくらんぼの種取り除いた分お茶パックに入れて一緒に煮ると色ととろみが出る
レモン汁(お好みで)少々酸味を足したいときに(任意)

グラニュー糖の量は好みで調整できます。グラニュー糖が多いほど日持ちし、とろみも付きやすくなります。甘さを控えたい場合は30%まで減らせますが、その分日持ちは短くなるので、早めに食べきるか冷凍してください。

色よく仕上げるコツは「種」です。農家さんに教わったいちばんのポイントは、取り除いたさくらんぼの種を捨てずにお茶パックに入れて、ジャムと一緒に煮ること。種から自然なとろみ(ペクチン)と赤い色が出て、きれいなルビー色に仕上がります。煮上がったらパックごと取り出すだけなので、手間もかかりません。
取り出したさくらんぼの種をお茶パックに入れ、鍋のさくらんぼに加えたところ

写真:取り出した種はお茶パックへ。さくらんぼと一緒に煮て、色ととろみを引き出します
種取りにあると便利な道具(チェリーピッター)

さくらんぼジャムの作り方

工程は種を取る・グラニュー糖をまぶす・煮る・瓶に詰めるの4段階です。いちばん手間がかかるのは種取りですが、ここを丁寧にやると食べやすいジャムになります。

農家直伝のさくらんぼジャムの作り方早見図(種を取る・グラニュー糖をまぶす・煮てアクを取る・とろみをつけて仕上げる)

図:農家直伝・さくらんぼジャムの作り方早見(保存・印刷にどうぞ)

STEP1|さくらんぼを洗い、種を取る

さくらんぼをやさしく洗い、軸を取ります。傷んだ実・カビのある実は取り除きます。種は種抜き器を使うと早いですが、無ければ包丁で切り込みを入れて取り出します。割れている規格外の実は、手で開いて種を外せます。取り除いた種は捨てずに、お茶パックに入れてとっておきます(あとで色ととろみ出しに使います)。種を取ったあとの正味で重さを量ります。

STEP2|グラニュー糖をまぶし、種パックを加えて置く

鍋(またはボウル)に種を取ったさくらんぼとグラニュー糖を入れ、種を入れたお茶パックも一緒に加えて、全体になじませて30分〜1時間ほど置きます。さくらんぼから水分が出て、煮るときに焦げにくくなります。ホーローかステンレスの鍋を使うと、酸で変色しにくく安心です。

STEP3|中火で煮て、アクを取る

種パックも入れたまま中火にかけ、煮立ったら浮いてくるアクを丁寧にすくい取ります。アクを取ると、澄んだきれいな赤色に仕上がります。焦げ付かないよう、ときどき木べらで混ぜながら煮ます。煮るうちに、種からとろみと赤い色が出てきます。

STEP4|とろみを見て、種パックを取り出して仕上げる

果肉が柔らかくなり、好みのとろみになるまで、弱め〜中火で15〜25分ほど煮詰めます。仕上がったら種を入れたお茶パックを取り出します(酸味を足したいときは、ここでお好みでレモン汁を少々)。冷めると少し固くなるので、少しゆるいかな、くらいで火を止めるのがちょうどよい仕上がりです。熱いうちに、煮沸消毒した瓶に詰めます。

とろみの確認は、冷やした小皿にジャムを少し落とすと分かりやすいです。皿の上でゆっくり固まる程度になっていれば、ちょうどよい煮詰め具合です。さらっとしていれば、もう少し煮詰めます。
紅さやかと種を入れたお茶パックを鍋で煮ているところ

写真:紅さやかを煮ているところ。種パックを入れ、アクを取りながら濃い赤色に煮詰めます

実際に作ってみました(2026年6月15日)

農家さんに教わったレシピをもとに、わが家でも実際にさくらんぼジャムを作ってみました。上の分量(さくらんぼ750g・グラニュー糖300g)で、次のように進めました。

  • グラニュー糖をまぶして2時間ほど置いてから煮始める
  • 中火でアクを取りながら、20分ほど煮詰める
  • レモン汁は入れませんでした(お好みで入れてもおいしいです)
いちばん手間がかかったのは種取りでした。種抜き器(チェリーピッター)が手元になく、一粒ずつ手で種を取ったので、量が多いとここがかなりの作業になります。たくさん作るなら、種抜き器があると作業がぐっと楽になると感じました。

食品衛生の注意|瓶の消毒と保存期間

安全においしく食べるために

  • 瓶は必ず消毒してから使います。よく洗った瓶とフタを煮沸消毒するか、熱湯をかけてしっかり乾かします。雑菌が残るとカビ・傷みの原因になります。
  • ジャムは熱いうちに瓶へ詰め、フタをして逆さに置いて冷ますと、簡易的に脱気できて日持ちしやすくなります。
  • 開封後は冷蔵庫で保存し、清潔なスプーンで取り分けます。濡れたスプーンを使うとカビの原因になります。
  • 表面にカビが出たもの・においや味がおかしいものは、もったいなくても口にしないでください。

保存期間と楽しみ方

グラニュー糖の量によって日持ちは変わります。おおよその目安は次のとおりです。

保存方法目安備考
冷蔵(開封後)2〜3週間グラニュー糖控えめの場合は早めに食べきる
冷凍2〜3か月小分けにして冷凍すると使いやすい

食べきれない量を作ったときは、小分けにして冷凍すると長く楽しめます。パンやヨーグルトはもちろん、炭酸水で割ってドリンクに、お菓子作りのソースにと使い道は広いです。規格外のさくらんぼを、最後までおいしく使いきれます。

トーストにバターとさくらんぼジャムをのせた朝食

写真:トーストにバターと一緒に。紅さやかのジャムは濃い赤色が映えます
ヨーグルトにさくらんぼジャムをかけたところ

写真:ヨーグルトのソースにも。甘酸っぱさがよく合います

よくある質問

Q. 取り出した種はどうしますか?

A. 実から外した種は、捨てずにお茶パックに入れてジャムと一緒に煮るのがおすすめです。種から自然なとろみと赤い色が出て、きれいなルビー色に仕上がります。煮上がったらパックごと取り出すだけです。なお、実に種が残ったまま煮ると食べるときに口に残るので、実の種はきちんと取り除いてください。

Q. グラニュー糖はどのくらいまで減らせますか?

A. 正味の30%程度までなら作れますが、グラニュー糖が少ないほど日持ちが短くなり、とろみも付きにくくなります。控えめにした場合は冷蔵で早めに食べきるか、冷凍してください。

Q. 佐藤錦と紅さやかは混ぜて作りますか?

A. 混ぜずに、品種ごとに別々に作ります。佐藤錦は甘く明るい色、紅さやかは酸味があり濃い赤色に仕上がります。佐藤錦で酸味が物足りないときは、レモン汁を少し足すとよいです。

Q. とろみが付きません。どうすれば?

A. さくらんぼの果肉はペクチンが少なめですが、種をお茶パックに入れて一緒に煮るととろみが出やすくなります。それでもゆるい場合は、もう少し煮詰めて、お好みでレモン汁を少々加えてください。冷めると固くなるので、煮ている途中は少しゆるめでも問題ありません。

まとめ|分けていただいたさくらんぼを、ジャムで最後まで

規格外のさくらんぼも、ジャムにすれば見た目を気にせず、最後までおいしく使いきれます。寒河江の農家さんに教わった作り方を、最後にまとめておきます。

  • 品種:佐藤錦と紅さやかは混ぜず別々に作る(佐藤錦=甘み・明るい色/紅さやか=酸味・濃い赤)
  • 材料:さくらんぼ正味750g/グラニュー糖300g(正味の約4割)/取り除いた種はお茶パックへ(レモン汁はお好みで)
  • 手順:種を取る → 種はお茶パックに入れる → グラニュー糖をまぶして置く → アクを取りながら煮る → とろみがついたらパックを取り出す
  • 衛生:瓶は必ず消毒・熱いうちに詰める・清潔なスプーンで取り分ける
  • 保存:冷蔵2〜3週間/冷凍2〜3か月

さくらんぼの産地ならではの、規格外を分けてもらえるありがたさを感じる一品です。手に入る機会があれば、ぜひ作ってみてください。

なお、当ブログでは、実際に家庭菜園を続ける中で新しい気づきがあれば、公開済みの記事も随時加筆・更新しています。

そのときどきの畑の様子や試した結果も少しずつ書き加えていきますので、また見に来ていただけたら幸いです。

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